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2014年09月29日(月)
金比羅山古墳、現地説明会
(写真クリックで拡大写真中央部の小高くなっているところが後円部分と推測)
9月21日(日)、桂川町寿命に存在が確認されている
金比羅山古墳の範囲確認調査についての現地説明会が行われました。
地元住民や古墳ファン140人が参加し、
九州大学の教授や学生による説明に熱心に耳を傾けていました。
金比羅山古墳は、
平成23年度から九州大学大学院人文科学研究院考古学研究室が調査を行っていおり、
その結果、
○全長約80mの前方後円墳
○地山を削られて築造
○王塚古墳より古い時代(3〜4世紀代)に築造
などの可能性が高いと判明しています。
今年度の調査で一旦調査は落ち着くということです。
今後、九州大学による報告書などができ次第、
広報けいせんなどでも詳細な報告を行いたいと思います。
余談。
ここからは、当日、私が担当者らと話して聞いた話をまとめたひとり言です。
公式の話ではないのですが、私自身勘違いしていたので参考として。
今回、金比羅山古墳の調査を行っていくにしたがって、
この古墳は先に挙げたような特徴を持った、
大きい前方後円墳ということがわかってきました。
写真中央部の後円部分の頂上に、
王塚古墳と同様、石室の入り口があるらしいです。
私はてっきり石室も発掘して、
石室の中を確認するものだとばかり思ってましたが、
当面その予定はないとのことです。
なぜか。
これは王塚古墳が発掘されたときにも起こった問題なのですが、
古墳の石室は、発掘され外気に触れた時点で劣化が始まります。
カビや酸化による劣化です。
王塚古墳は装飾壁画だったので特にこの問題が顕著だったようですが、
なんにせよ、古墳の発掘というのはとてもデリケートなことのようです。
もし石室を発掘するとすれば、
同時に劣化を極力防ぐような対策が必要になりますが、
現状では設備や人件費等で莫大な予算がかかってしまいます。
今年度で一区切りされるこの金比羅山古墳の調査は、
全体像の把握こそが大きな成果であったと言えます。
当日、九州大学の担当教授が、
「私よりもっと優秀な若い人たちによって、今後詳細な発掘ができることを願います」
と半ば冗談のように仰っていました
今後の進展に期待したいところです。
(広報 吉田)
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