町長の日記
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2021年10月05日(火)
映画『息子』を観て・・
先日、テレビ番組で、『息子』という映画を久しぶりに観ました。この映画は、30年前に公開されたもので、原作は椎名誠さん、監督は山田洋次さんです。出演者は三國連太郎、永瀬正敏、和久井映見などの俳優が名を連ねています。以前に観た時は、次男(永瀬)と彼女(和久井)の恋愛ものという印象が強かったのですが、今回は目線が変わり、父親(三國)の息子に対する想いがヒシヒシと伝わり共感しました。
岩手県の田舎で一人暮らしする父親に、長男が都会のマンションで「いっしょに住もう」と提案しますが、その気になれない父親の気持ちがとてもよく分かる気がしました。また、次男が耳に障がいがある彼女に恋をして、結婚の報告をしたときの父親としての喜びは手に取るように理解できました。
そして、最後の場面では、ひっそりとした広い農家に、いつか次男が彼女といっしょに戻ってくる夢想の世界と、昔の大家族のにぎやかな声が響き渡る記憶の世界が重なり合って、人生の末期を予感させるものでした。
映画の時代背景は、私たちの世代と重なるところが多く、人は『老い』を受け入れながら、そういう心境になるんだろうな・・と想像したところです。
今は、コロナの禍中ですが、絆や温もりの大切さをつくづく想う次第です。
桂川町長 井上 利一
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